食事への意欲を高める酸味
高齢者様のお食事のお困りごとで多く聞くのが食欲減退です。
これからの季節、暑くなるとさらに食欲が湧かなくなる方も多いと思います。
そこで、今回は食欲減退に立ち向かう「酸味」の活用についてお伝えいたします。
まず、酸味には食欲を刺激する効果があります。
お酢やレモンはその代表格で、お酢の成分の酢酸とレモンの成分のクエン酸は、唾液の分泌を高めて食べ物の味をより鮮明に感じさせ、食事への意欲を高める効果があります。
また、これらの酸味にはその他にも体に嬉しい健康効果があります。
酢酸・クエン酸の健康効果
(酢酸は体内でクエン酸に変化します。)
・疲労回復を助ける
・胃腸の働きを整える
・体内の活性酸素を取り除く
・マグネシウム、カルシウム、鉄の吸収を助ける
・食後血糖値の上昇を抑制
・体脂肪・内臓脂肪の減少
・血圧を低下させる作用
この健康効果を持つ酸味を普段のお食事に加え、酸味を取り入れたメニューにするなど、上手に活用することで食欲増進かつ健康維持の効果が期待できます。
簡単に酸味を取り入れるには、焼いた魚やお肉にレモンを絞ったり、サラダにヴィネガー(お酢)ドレッシングやレモンドレッシングをかけるなど手軽にできます。
また、酢の物、酢豚、酢飯などのお酢を活用したメニューもおすすめです。
さらにおやつの時間にレモンティーなどのレモンを入れた飲み物を取り入れてみるのも良いでしょう。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。
過剰摂取は、歯のエナメル質を溶かし口腔内のトラブルに繋がる可能性や、胃や腸が刺激され炎症を引き起こす可能性があります。
適度な量の酸味を取り入れることで、酸味の健康効果を活かしつつより健康的で楽しい食生活を送ることができます。
高齢者様の食欲減退にお悩みの際にはぜひ参考にしてみてください。