高齢者様のお食事での低栄養問題には、消化・吸収機能の低下が関係しています。
食べ物は、生きる上で必要なエネルギーを供給するだけでなく、成長や修復、免疫力の維持などの重要な役割を果たしていますが、この役割を果たすためには、食べ物の消化と栄養素の吸収が適切に行われることが不可欠です。
食べ物が、歯などで細かく刻まれたり、唾液、胃液、腸液などの消化液により、体に吸収されやすい養分に分解されることを消化といいます。
食べ物が口に入ると、唾液による消化を開始します。
咀嚼をすることで食べ物を細かくし、消化をしやすくします。
食道を通り胃に運ばれると、胃の蠕動運動が始まり胃液が分泌されます。
食べ物は胃液と混ざり消化されたり、消化しやすいようドロドロな状態になり、十二指腸へと運ばれます。
胃液は強い酸性で、食べ物についている細菌などの殺菌作用もあります。
十二指腸では胆汁や膵液などの消化液によりさらに消化が進み小腸へ運ばれると、ここで消化の仕上げと消化された栄養素の吸収が始まります。
小腸の粘膜には絨毛(じゅうもう)という無数の突起があり、絨毛内には栄養素を運ぶための毛細血管やリンパ管があります。
その毛細血管やリンパ管を通して栄養素の吸収が行われていきます。
消化しきれなかった食物残渣は大腸まで運ばれると、糞便として体外へ排出されます。
この一連の流れが、食べ物を食べてから栄養素が体にと吸収されるまでです。
消化と吸収が円滑に行われることは健康にとても重要となりますが、高齢者様は加齢に伴い、唾液の減少や咀嚼能力の低下、胃腸の働きが衰えやすくなります。
そのため、消化や吸収の効率が低くなることで低栄養へ繋がっていきます。
クックチル食品で消化や吸収の効率を上げられる?
クックチル食品では、加熱調理後に急速冷却を行い、急速冷却後は真空に近い状態で冷蔵パックにて保管します。
急速冷却により、細菌が繁殖しやすい温度帯を素早く通過することで、細菌の繁殖を防ぎ、食品の鮮度を保つことができます。
食品の鮮度が保たれているのと同様に、急速冷却により食品の味、風味、栄養素も損なわれることなく保つことができ、利用者様に鮮度の高い栄養満点のお食事を提供することができます。
そして、食べ物を口に入れてから最初に消化に関わっている唾液量、噛む力を向上することで消化・吸収の効率を上げられます。
しっかりと噛んで食べられる方は、咀嚼能力の維持や口腔ケアによる唾液量の維持をしていきましょう。
すでに咀嚼・嚥下機能が低下している方の栄養素の吸収の効率を上げるためには、消化しやすい形を選ぶことも大切だと思います。
みん食のクックチル食品では、常食の他に刻み食、ミキサー食、ムース食をご用意しています。(※プラン・オプションによる)
咀嚼への苦手意識がある方も、きざみ食を取り入れることで噛みやすくなり、常食よりもよく噛めることで咀嚼回数の増加につながることもあります。
咀嚼回数が増加することで唾液分泌の促進にもなり、消化・吸収の効率が良くなります。
不十分な咀嚼では、十分に消化されず吸収される前に排出されることがあるため、ミキサー食やムース食ではより食べ物が細かくされることで、胃や小腸での消化を安易になり無駄な排出を少なくできます。
提供するお食事を工夫することで消化・吸収の効率向上や、高齢者様の健康寿命の延伸に繋げましょう。