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岡山県倉敷市児島産の食を育て、つくる物語【下津井電鉄:児島産さつまいもづくりへの挑戦(はじまり編)】

Sweet potato

今回「岡山県倉敷市児島産の食を育て、つくる物語【下津井電鉄:児島産さつまいもづくりへの挑戦】」と題して、ミンショクで取材させていただいた特集記事を数回に渡り掲載いたします。
結果がよめない自然との対峙。
地域の食、グルメを育て、つくる挑戦のお話をお楽しみください。

ジーンズの街から、ジーンズとグルメの街へ。

ジーンズの街、ジーンズの聖地としてすっかり定着した「岡山県倉敷市児島」
近代繊維業で栄え今に至るが、古くから塩業が盛んに行われてきた地域でもある。

そして昨年より、その「塩」で、もう一度地域を盛り上げていこうというプロジェクトが児島商工会議所の協力で発足した。
その名も「倉敷児島塩(えん)結びプロジェクト」


それに伴い、地元企業である塩業の名家、旧野﨑家住宅と、交通で児島はもとより岡山の産業を支えている下津井電鉄株式会社がタッグを組み、地域おこしのためのオリジナルブランド塩「塩田王野﨑家の塩」を開発。


すでに様々なお土産品やお店の料理でこの塩が使用されるようになり、「ジーンズとグルメの街児島」へと益々活気づいてきている。

また、現在はプロジェクトの一環で「児島塩ラーメン」を各地元飲食店で開発して、塩グルメを更に普及していこうという動きも広がっている。


そんな中、新たなテーマも生まれてきた。

岡山県倉敷市児島産の農作物はないのか?

児島地域といえば、タコや鯛、鰆、わかめや海苔に代表される海産物は有名だが、グルメに必須である児島産の農作物はないだろうか。

山や海に面した地域柄、田んぼや畑自体が少なく、お米農家さんや家庭菜園をしている方はいる。
しかし実際に児島産の農作物を大々的に作っている農家さんはほとんどいない。
何か新たな地域資源になり得る作物を作れないか。

そこへ立ち上がったのがこの倉敷児島塩結びプロジェクト実行委員のひとり、下津井電鉄株式会社の開発事業部マネージャー早田友幸さん。
プロジェクトのPRを精力的に行う傍ら、やはり農作物でも児島産のものを全国へお届けしたいという想いが強くなり、一念発起。
大好きなさつま芋の栽培を思いついた。

構想を練る下津井電鉄株式会社早田マネージャー


目をつけたのは下津井電鉄旧下津井駅敷地。
鉄道マニアやファミリー層には有名な場所でもある。

のどかな風景にレトロな鉄道やバスの旧車両が並ぶ旧下津井駅構内
挑戦のはじまり。耕し、そして植える。

早速チャレンジが始まった。
早田さん、思いついた翌週には地元建設会社様ご協力の元、引退した下電や下電バスの旧車両に見守られながら、草を刈り、重機で砕いた石やゴミを取り除き、土を掘る。
来る日も来る日も修行僧のように整地し耕していく。


そして5月26日、同じく下津井電鉄株式会社で開発事業部の陣頭指揮を取る取締役白川雅也さんも作業に加わり、ついに約100mほどの畝(うね)が整い、今回、紅はるか・紅あずま・パープルスイートロード3種のさつま芋の苗を植えることに。

畝を造成するため鍬をふるう下津井電鉄株式会社白川取締役


紅はるか・紅あずまは甘く、焼き芋に適していて、パープルスイートロードは風味や紫色の色合いから、スイーツなどに利用されることが多いという。


天候にも恵まれ、半日かけてようやく苗の植え付けを完了した。


だが、スタートラインにたったと安堵したのもつかの間、大雨や大風が直後にあり、早々に枯れてしまった苗もあったため、植え替えを行うこと数度。

何事も簡単にはいかないのが世の常。
前途多難なほうがより闘志も燃えるというものである。

果たして、鹿児島産ならぬ、児島産のさつまいもは誕生するのか。

秋に収穫予定とのこと。
早田さんたちの戦いはまだまだ続く。

6月の梅雨入りで一気に茂ってきたさつまいもの苗


乞うご期待。
次回は9月頃に報告します。

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