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おでかけコラムは編集長とスタッフが町の歴史を学んだり、体験したり、おすすめのスポットに訪れる連載コラム。
瀬戸内を中心としたさまざまな場所に足を運び、その町の魅力をご紹介していきたいと思います。
今回私たちが訪れたのは、倉敷市児島下の町にある「三冠酒造」さん。
1806年に創業され、創業から受け継がれた備中杜氏の伝統的な手法で、現在も倉敷市児島の地酒を造られています。
三冠酒造さんのコンセプトは、「名脇役に徹し、食事を主役に出来る酒」。
お酒自体に華やかさは無いけれど、料理の味を邪魔せず引き立てることができるお酒、そんなお酒造りを目指しているとのこと。
併設されている酒造ギャラリーに展示されている酒造工程をスタッフさんの説明を交えながら学び、その後に実際に酒蔵の見学もさせていただきました。
日本酒の原料であるお米とお水のこだわり
朝日米は岡山を代表する飯米ですが、醸してもお米の味がしっかり出る美味しいお酒になる特徴があります。
雄町米は酒造好適米で、生産量の約95%が岡山産を占めており、こちらも岡山を代表する品種です。
普通のお米に比べて粒が大きく心白も大きい(デンプン質が多い)ため、お酒の原料に適しているそうです。
岡山県を代表するお米を使ったお酒造りで、こんなにも良いお米が岡山にあるということを発信していきたいとの思いで、この2種類のお米を使っているそうです。
花崗岩の地質で磨き抜かれた清冽なお水で、水質は硬水でとてもすっきりとしたお水です。
酒造工程
洗った米はすぐに水に浸し、酒造に適した蒸米ができるように、必要な水分お米に吸収させる。
米の品種や硬軟、精米歩合によって一分一秒単位で洗米・浸漬の時間が異なる。
蒸米の蒸し具合を確かめ、粗熱を抜いて適温になったら次の工程へ移る。
糀とは糀カビが生えた米のことで、主に酵素を分泌させたもの。
酵素はデンプンを糖分に変化させる重要な役目を持つ。
黄糀菌の胞子を種糀として蒸米にふりかけ約2日間培養することで、酵素を分泌させ米のデンプンを糖化していく。
糀室(こうじむろ)でこの作業が行われます。
もろみ造りは仕込みとも言われ、三冠酒造では三段階に分けて仕込みをすることで、雑菌の繁殖を抑えつつ酵母の増殖を促し、もろみの温度管理をやりやすくする独得の方法の「段仕込み」でもろみ造りを行っている。
これだけの工程を経て出来上がっている日本酒。
お話を伺いながら見学をし終わった編集長とスタッフは日本酒飲む心持ちが変わるよね!と感動しました。
編集長お楽しみの「角打ち」で飲み比べしてみました!
築100年以上の精米蔵を改装してつくられた酒造ギャラリーで、日本酒3種飲み比べと地元下津井産の肴がセットで楽しめる「角打ち3種セット」。
この飲み比べ、編集長がとても楽しみにしていました!(笑)
さっそくお願いして用意していただきました。
飲み比べることで、このお酒はこんな料理に合うね、こっちのお酒はこんな料理がいいかも、とお料理との相性も想像しながらそれぞれのお酒を楽しむことができました。
「みこえ水」や酒粕を使用した飲み物や、夏にはみこえ水で作ったかき氷、冬には特製の甘酒も販売されており、お酒が飲めない方にも楽しんでいただけると思います。
私は柑橘湯を美味しくいただきました。
日本酒文化に気軽に触れられる空間
今回お邪魔した三冠酒造さんは、直売所、酒造ギャラリーどちらも併設されているため、酒蔵見学だけではなく、酒造ギャラリーで日本酒の歴史を学んだり、試飲することができます。
※酒蔵の見学はあらかじめお電話で確認してください。
お家での晩酌にも、手土産にもおすすめの日本酒。
そんな日本酒の文化に気軽に触れられる三冠酒造さん、倉敷市児島に訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。
三冠酒造
岡山県倉敷市下の町2‐9‐22
TEL:086-472-3010