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高齢者施設のお食事の種類とは?【特集】

【種類豊富!】高齢者施設でのお食事ってどんなかんじ?

むろいのりこ(食のライフスタイリスト)特集コラム監修:むろいのりこ 先生
公式サイト公式Instagram
プロフィール:
食のライフスタイリスト
・管理栄養士
・食器ソムリエ(一般社団法人食器ソムリエ協会認定 1期生)
・フードコーディネーター(SUKENARI YOKOクッキングアートセミナー卒業)
管理栄養士として病院・福祉施設の管理栄養士、大手食品メーカー、給食専門の食品メーカーなど、給食業界の経験を積んだ後、独立。
現在は病院・福祉施設を中心とした食品メーカーのアドバイザーの他、レシピ提案、不定期の料理教室、幼児食テキストの監修など幅広く手掛ける。
一般社団法人食器ソムリエ協会認定 1期生。
食器の大切さ・知識を学んだ後、16年以上給食業界に携わった経験を活かし、本格的に給食業界を中心とした食器ソムリエとしての活動をスタート。
主に病院・高齢者施設・保育園・社員食堂など、各現場の提供スタイルに合わせ、子供からお年寄りまで、世代やライフスタイルに合わせた“食×器”の提案が得意。

高齢者施設では、1日3度のお食事は、多くの方が楽しみにされています。

合わせて、施設の中で過ごすことが多い入居者にとって食事は1日のリズム作りとして大切な時間とされています。

そこで今回は、高齢者施設のお食事をご紹介していきます。


高齢者施設のお食事はどんなかんじ?【特集】まず、最初に知っていただきたいことは、

高齢の方々は、様々な機能が衰えると同時に、それが食事にも大きく影響が出てくることです。

身体能力の低下に伴い、食事を自分の力で口に運ぶのが難しくなったり、

噛むことの咀嚼能力と、飲み込む嚥下能力も見ながら食事の内容を決めていきます。

咀嚼は食べる力、嚥下は飲み込む力ですが、

咀嚼は義歯の不具合を始め、歯に何かしらの不調があることから、好んで軟らかい食事をとるようになります。

しかし、同時に顎の筋力も衰えてくるのです。

嚥下もまた、筋力の衰えや、寝たきりの体勢でいることで飲み込むことが困難になる場合があります。

気管につまる危険性もある為、高齢者の方は美味しく食事を摂ると同時に、安心安全な食事でなくてはなりません。

そこで、お食事の提供する前に、

  • 体調による食事制限の必要性
  • 咀嚼・嚥下能力の具合
  • 食事介助の必要性
  • 食事の時の姿勢

といったことを中心に食事内容を決めていき、『食べやすさを考慮した食事形態での提供を行っていきます。

糖尿病食や、減塩食といった治療食が充実している施設や、

厨房設備によって提供される食事形態は施設によって様々ですが、

今回は『食べやすさ』に着目し、6つの食事形態をご紹介していきます。


代表的な6つの食事形態

▶通常食

食事制限がなく美味しく食べて日々の生活に潤いを持たせるアクティブシニアに向けたお食事です。

ひと口大・きざみ食

噛む力をサポートする食事です。

食材を口に入れた後に噛む回数を減らせるよう、あらかじめ「一口大」「2㎝カット」や「5㎜大」といった咀嚼レベルに合わせてカットの大きさを決めていきます。

ソフト食・軟菜食

刻み食では食べづらい方、刻み食よりもやわらかい食事を求める方へ向けたお食事です。

本来の素材の形状を生かし、見た目も味もそのままで、特殊な調理法でやわらかくしています。

噛みやすい食材や、調理方法を用いることで自分の力で食べることをサポートします。

ミキサー食

咀嚼・嚥下能力が弱まっている方へ向けたお食事です。

食材にダシやスープを加えてミキサー・フードプロセッサーでペースト化させます。

少ない咀嚼で飲み込むことができ、非常に食べやすくなります。

水分が含まれるため、嚥下が困難な方の場合にはペースト化した食材にとろみ剤(粘度を持たせる粉末)をつけ誤嚥防止を行います。一方、ペースト化することで見た目が損なわれ食欲減退に繋がるというデメリットもあります。

ムース食

食材をペースト化し、とろみ剤や型などを使って再び料理の形成されたお食事です。

舌でつぶせる柔らかさ、スプーンでペースト状に潰して食べることもでき、

水分でむせやすい方も飲み込みやすくなっています。

見た目や味、香りも楽しむことができ、食事への楽しみを維持することができます。

ゼリー食

食材をペースト化し、ゼラチンや寒天などを加えてゼリー状に固めたお食事です。

ゼリーのように喉の滑りも良く、舌で潰さなくても安全に飲み込めるのが特徴です。

咀嚼・嚥下能力がかなり衰えた人に向けた介護食です。


いかがでしたか。

高齢者施設で提供される食事の形状は様々な種類があります。

その方の状態をしっかり把握し食事提供を行うことは、

日々の食事への楽しみを持つ、美味しく食べることの喜び、自分の力で食べることの維持継続、

そしてしっかり栄養を摂ることでき、日々の健康へと繋がっていきます。

 

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