塩分の摂りすぎのリスク
前回の記事では味覚機能の低下についてのお話をしました。
味蕾の減少や唾液分泌量の減少による味覚機能の低下が原因で濃い味の(塩分の高い)お食事を好むようになるかたもいますが、塩分の摂りすぎにはさまざまな病気のリスクがあります。
塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウム(塩分)濃度が高くなります。
人の体には血液中のナトリウム濃度を一定に保つ働きがあるため、高くなったナトリウム濃度を下げようと水分を多く溜めこむようになります。
その結果、血液量が増え血管がパンパンになり大量の血液を流すために血管壁に高い圧力が加わり、「高血圧」になります。
慢性的な高血圧は、血管がもろくなったり、動脈硬化(柔軟さが失われ硬くなる)の進行が早くなったりする可能性が高く、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、心筋梗塞などのリスクが高くなります。
また、体内の余分なナトリウムや老廃物をろ過して排出する働きのある腎臓にも負担がかかり、腎臓病になるリスクもあります。
塩分の摂りすぎはカルシウム排出も増やします。
カルシウムが主成分である尿路結石ができやすくなったり、カルシウムの排出量が増えることで、骨からカルシウムが溶け出し骨粗鬆症のリスクも高くなります。
そして、塩分の多いお食事を続けることで、胃の中の塩分濃度が上がり、胃の粘膜を保護する粘液がはがれ、胃炎になりやすくなったり、発がん性物質の影響を受けやすくなることで、胃がんの発症リスクも高くなります。
このように、塩分の摂りすぎはさまざまな病気のリスクを高めます。
厚生労働省による1日の塩分摂取量(成人)の目標値は男性7,5g未満、女性6,5g未満です。
〈厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」5ページ表1より(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf)〉
減塩生活のコツ
では塩分の摂りすぎを予防するためにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは、お食事に使う塩分量(調味料)の調整です。
お醤油や食塩の使用を最小限に抑え、昆布やかつおぶしなどの「お出汁」のうま味を利用し料理の味を引き立てることで、塩分が少なくても美味しいと感じるお食事になります。
また、レモンやお酢などの酸味も塩分の少なさを目立ちにくくさせてくれるので利用してみましょう。
そして、体内のナトリウムを排出する作用やナトリウムの吸収を防ぐ栄養素をお食事に取り入れましょう。
・カリウム(ほうれん草、バナナ、アボカド、大豆類、芋類、昆布、ひじきなど)
・カルシウム(牛乳やヨーグルトなどの乳製品や豆腐や納豆などの大豆製品など)
・水溶性食物繊維(大麦、キャベツ、熟した果物類、芋類、海藻類など)
腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進することで、血圧を下げる効果があります。
カルシウムと水溶性食物繊維もカリウムと同様にナトリウムを排出する働きを持っています。
塩分の摂りすぎに注意したお食事で健康な人生を過ごしましょう。
みんなの食事(みん食)のクックチル食品は管理栄養士監修の献立となっておりますので、調味料などの塩分計算もしっかりとされています。
調味料による味の調整に頼らず、お出汁にこだわりうま味を引き立てた健康的なお食事で利用者様に満足していただけるお味に仕上げています。
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