Oral health care
前回、問題なく食べたり飲んだりするためには、お口の健康が大切だと伝えさせてもらいました。
今回は、飲み込むときの動作について知っていきましょう。
摂食嚥下の5期モデル
摂食嚥下(食べる、飲み込む)は先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期と5つのステージから成り立っており、それを摂食嚥下の5期モデルといいます。
視覚、触覚、嗅覚などから食べ物を認知し、口に運ぶまでのステージです。
この時に、これから口にするものは食べ物なのか、硬さはどうか、一口はどれくらいにするか、など判断しています。
お口に入った食べ物をモグモグ噛むステージです。
食べ物を咀嚼して唾液と混ぜて、飲み込みやすい食塊を作ります。
この時に舌が食べ物を動かし、スムーズに噛めるようにしてくれています。
噛んでまとまった食塊を喉に送り込むステージです。
舌全体の動きで送り込みます。
嚥下反射により、食塊を咽頭から食道に送り込むステージです。
この時に気道に蓋がされ、食べ物が気道に入らないようになっています。
食塊が、食道のぜん動運動によって胃に送り込まれるステージです。
問題なく食事ができている方は、無意識にこの5つのステージを経て飲み込んでいます。
口にする物を見た時点で、飲み込む準備は始まっているのです。
無意識に行っているので、気付いていない方も多いと思いますが、噛む時、飲み込む時、に大活躍してくれているのが “ 舌 ” なのです!
舌がしっかり動いていないと、食べ物が歯の上に運ばれなくて噛みにくかったり、うまく飲み込めなくて誤嚥(ムセてしまうこと)に繋がってしまいます。
そこで、舌の筋力のセルフチェックをしてみましょう!
※すでにムセがあったり、以前より飲み込みが難しいと思われる方は、歯科で口腔機能検査を受けることをおすすめします。
舌の筋力セルフチェック
今、体の力を抜いて、楽にしてみて、舌の先はどこへ当たっていますか?
前歯の裏でしょうか?上顎でしょうか?
舌には正しい位置があります。
安静時に、上顎に舌全体がベターっとついているのが正しい位置です。
舌の先が前歯の裏にあたっていたり、どこにもあたっていない方は、舌の筋力が落ちてきている可能性があります。
しかし、体操をすることで筋力を取り戻し、維持することができるのです!
舌の体操をしながら、この舌位置セルフチェックを定期的にしてみましょう。
舌の体操をしてみよう
今回紹介するのは「あいうべ体操」です。
すごく簡単!
「あー」「いー」「うー」「べー」
と、最後に舌をベーと出す体操です。
① 「あー」と口を大きく開く
② 「いー」と口を大きく横に広げる(その時、口角をあげるようにする)
③ 「うー」と口を前に突き出す
④ 「べー」と舌を出して下に伸ばす
この①~④を1セットとして、1日30セットを目安に行いましょう。
ポイントはゆっくり大袈裟に行うこと。
(1つの動作を1秒ずつくらい)
声は出しても出さなくてもOKです。
毎日続けることが重要です!
そのために、行うタイミングを決めることをおすすめします。
例えば、毎食前に10回するだけで1日30回できます。
あいうべ体操をした後に、舌の位置をチェックしてみてください。
上顎にベターっとついているはずです!
毎日、繰り返す事で舌の位置が定着します。
あいうべ体操は数ある口の訓練のうちの1つですが、その中でもとても効果的です。
ぜひ日常に取り入れてみてください♪
Special Thanks/Daijiro(Dentist)